古き良き日本の暮らしを今の時代と和える|稲作日記2019

「SATOMACHI」の活動の一つ…手のひらサイズのこけだまに稲を植える「こけ田んぼ」づくり!今年も4月からスタートしました。
昨年に引き続き、各地でのワークショップ、小学校での出張授業、神社の御田植祭とのコラボワークショップなどたくさんの方々に「こけ田んぼ」を作っていただきました。
その後、皆さんの「こけ田んぼ」はいかがでしょうか?
今年は、稲がぐんぐん生長する6月7月は雨が多く、日照不足の日が続きました。「SATOMACHI」で育てている稲もなかなか厳しい状況でした。
今年の「SATOMACHI 稲作」の様子です!

2019稲活のスタートは古代米の出会いから~

美しいですよね!古代米 赤米です。
「SATOMACHI」の稲作で大変お世話になっている上野さんが 登壇されるということで、「古代米の集い」~講演会&交流会~に参加してまいりました。
上野さんは、約380種類もの種もみを保存され、そのうち赤米・黒米・緑米といった古代米等を含めた約50種類の米をミックスにして一度に植え付ける稲作をしています。もし自然食品のお店などで、「いろいろ米」というお米を目にしたらぜひ手に取ってみてください!雑穀米とはまた違った美味しさがあります!
そんな上野さんのお話はじめ、古代米をテーマに研究者・米生産者・料理家・デザイン/アートに携わる方々からいろいろなお話を聞くことができた3月…。SATOMACHIで稲作活動をしていくヒントをいただけた講演会でした。

背景を知って、気づくことのなかった世界を知る

というのも、「モノゴト」ってその対象となるそのモノだけに視点を置くのではなく、その背景であったり、全く違う分野からの見解に目を向けることで、それまで気づくことのなかった世界を知ることができるからです。
だから、「稲作」といってもただ、稲を育てお米を作る…ということに視点を置くだけでなく、「稲作」を様々な角度から知ろうとすることで、新たな間口も広がり、知識を広げていくことができると思うのです!
「稲作」を「居・食・住」といった様々な視点から見つめ、古き良き日本の暮らしを今の時代と融合させることができたら…より豊かなライフスタイルに出会えるのかな…、そんな思いで2019年の稲作がスタートしました。

稲作準備(4月~5月)

まずは、稲作の準備…種もみの発芽から~!

こちらの種もみは、栃木のいろいろ米。赤米・緑米等々50種類のお米がブレンドされています。だから色が濃かったり、薄かったり混ざっているのが特徴です! 米粒をよく見てみると、先っぽに白い芽が出てきているのが見えますでしょうか?この芽が出てきたら、育苗土を敷いて、蒔いていきます。
育苗土の上に蒔かれた種もみに、たっぷりの水をかけます。数日、新聞紙をかけて芽が伸びてくるのを待ちます。
新聞紙を取ってたっぷりと日光を受け始めると白かった芽がみどりになり始めます。まだまだ若い芽…ちょっとしたお水の勢いなどで倒れたりしてしまいがちなのですが…ぐんぐん伸びていきますよ~。
細くて倒れがちだった稲は順調に生長し 、ピンっと真っすぐ伸びてきました。よーく見ると、黒っぽい稲、赤紫っぽい稲がミックスになっているのが分かります!いろいろ米の特徴です!

ここで育った苗たちは、この後、小学校の子どもたち、神社の御田植祭で子どもたちに届けられ、「こけ田んぼ」になります!

教室で稲作!!
準備していたいろいろ米の苗、こんなに立派に生長しました!

小学校での「こけ田んぼ」の最初は、6/15(土)港区立御田小学校の2年生 2クラス
そして3日後の6/17(月)八王子市立浅川小学校 2年生 4クラス

〈こけだま完成写真があれば入れてください〉

子どもたちは、ひとり一つ「Myこけ田んぼ」を手にして笑顔いっぱい!
でも、作って「あ~、楽しかった!」で終わりではなく、作ってこれからがスタートなんです!!
稲を育てていくのに、水・日光が必要となります。植物は、自分で水が欲しい~!日が欲しい!なんてことは言えません。だからみんなが、稲の様子を気にかけ、お世話をしないと育たないんだよ…ということを伝えます。
お世話を通して、生きているものを育てる楽しさ・おもしろさ・自然の不思議さに気づいてもらえたら…嬉しいですね。
自然と生きるって、どういうことなのかな?って感じてほしいと思っています。

浅川小学校の2年生・生活科の授業で取り入れていただいて、先生から・・・

稲の変化・生長の様子に興味を持ってお世話をする中で、
自分の「こけ田んぼ」だけでなく、お友だちの「こけ田んぼ」にも目を向け枯れないようにお世話をする姿が見られたということ、
また、ひとり一つなので愛着がわき名前を付け、稲の生長を気にかけて育てている姿から、思いやりも育まれてきたように感じた、
というお話を伺うことができました!
これは本当にうれしいお話でした。

各地ワークショップで!!

今年の「こけ田んぼ」ワークショップは、5/3~5/5「アークヒルズ」 5/19「朝日神社」5/26「浅草神社」で行わせていただきました。
「アークヒルズ」は、more treesさんのイベント「木とあそぼう 森をかんがえよう」で参加させていただきました。ゴールデンウィーク中ということもあり、わいわい賑わいながらのワークショップとなりました。リピーターの方も多くいらしてくださるようになり、その中のお1人から「稲の苗を植えるところから始まって、その苗がぐんぐん伸びて稲穂をつけていくところは、小さい子でもその変化が良くわかり、収穫はほんの少しだったけれども楽しかったので、今年も参加しに来ました!」とお話をしていただきとても嬉しかったです!

一方、神社でのワークショップは、豊作を祈願する神事「御田植祭」に合わせて執り行いましたので、楽しさを感じるとともに神社という場所から、背筋が伸びる思い…。古来から日本人は稲作を行い、それを日々の糧としてきました。「御田植祭」「祈年祭」「新嘗祭」など稲作に関連する行事は、日本人の暮らしの中に溶け込み今に受け継がれてきています。

大枚山千田~棚田で稲作~

令和元年となった2019年5月1日 「SATOMACHI」の楽しい仲間たち5人で、田植えをしてきました!



秋の収穫

〈 収穫の写真をお願いいたします!〉

さとまちの「こけ田んぼ」
5月に植えた10cmほどの苗が、1か月で、ここまで生長しました! 6月…1か月遅れで、ミニダイコクを植えました。
室内でも穂はつきましたが、ひょろっと長い…8月下旬
去年より少し多く実ったかなぁ。

 

 

「さとまち」で、珍しい品種のミニダイコクをたくさん育てよう~作戦!!
バケツとこけ田んぼに挑戦。7月

 

ミニダイコク2種 8月下旬稲穂が出てきました!
ミニダイコク 紫色の稲穂
ミニダイコクは、稲穂のつき方が特徴的。

 

 

 

 

 

 

 

 

稲作を通して

こうして、4月から始まった稲作を振り返ってみると、さまざまな気付き、多くの出会いがありました。
子どもたちの表情は正直なもので、「土をさわる→泥まみれになる・・・」机に並べられた材料を見てそうイメージしてしまう子は、土をこねることに抵抗を示し、本当に嫌そうな顔をするんです…。でも、こねていくと柔らかくなって意外と気持ちいいんだよ!というお話をすると、周りのお友だちの様子をみながら、少しずつこねていくと…ある瞬間、とてもいい笑顔で「ねえ~、柔らかくて気持ちがいい!!」そう声をかけてくれる…そんな、場面が何度もありました。
そうそう、その感覚!言葉ではなかなか伝えられないんだけれど、やってみることで感じられること。そういう感性をどんどん磨いてほしいなぁ、と思っています。
自然を感じる、「こけ田んぼ」体験もその一つだと思います。
自然体験を経験している子、そうでない子の差がはっきりと分かれてきているように感じる現代…。
山や海に行くこと、自然体験の計画を家族や仲間と立てて特別なこととして行うこと、もちろんそういう経験もよいのですが、
準備が意外と大変ですよね。
もっともっと身近なところで、普段の生活の中で自然を感じながら暮らす…そうした日々の積み重ねの中で、私たちが体で感じ、学べることってたくさんあると思うのです!
それは、楽しいことばかりではないかもしれません…、
思い通りにうまくいかないこともあるでしょう…
ヒヤッとすることもあるでしょう…
子どもはそんな体験をすると、すぐにあきらめてしまったり、不安になったりするかもしれません。
でも、おとながそばで見守っていて、本当に困ったときに手を差し出すことができれば、
こどもは安心して、勇気をもっていろいろなことに挑戦できるようになるのだと思います。また、おとなもそうすることで、新たな気付きを得られることがあります!
時間に追われた生活をしがちな現代、日々の暮らしの中で自然を感じながら暮らすことができたら
こころにゆとりが生まれ、より豊かなライフスタイルが作れるではないでしょうか?

古き良き日本の習慣、受け継がれてきていること、そんな日本の暮らしを知る一つに「稲作」があると思います。
ちょうど収穫の時期ですが、「稲作」の流れはまだまだ続きます!
稲は収穫後、穂は乾燥・脱穀…玄米となり精米へと。また、稲わらもさまざまな形で有効利用されています。
「SATOMACHI」では、このあと わらを使ったしめ縄づくりも行っていく予定です!!

とてもとても長い「稲作日記」となってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも、SATOMACHIスタイルで「稲作」に関連することお伝えしていきたいと思っています!
どうぞよろしくお願いいたします。

文:AZUAZU

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