広島の街は、赤だけでなく緑にも染められる。「あえるSATOMACHI」で~都市の緑を考える~

日時:2018年1月25日(木)
会場:ハチドリ舎
テーマ:~都市の緑を考える~

こんにちは、SATOMACHIコーディネーターの岡本です。
突然ですが、みなさんが春を感じるのはどんな時ですか?
僕は最近朝に手作りの桜の木の盆栽を見ています。小さな盆栽ですが、よくよく見るとわずかながらつぼみが膨らんでいるのがわかり、かわいくも春の訪れを感じます。

いつもは、こけだまづくりなどの体験を通じて、参加した人の中で“さと(SATO)”と“まち(MACHI)”を近づけたいと楽しくがんばっているSATOMACHIですが、今回は「あえるSATOMACHI」として、参加したみんなで一緒に“さと”と“まち”を楽しく近づけるためのアイデアを考えてみました。

SATOMACHIとして初めての試みでしたが、20名を超える広島と自然をこよなく愛するみなさんが、広島市内だけでなく遠くは三次市からも集い、なごやかに始まりました。最初に、「あえるSATOMACHI」への思いについて、プロジェクト代表の和田から話があり、参加した皆さんと、次のような思いや位置づけをシェアしました。

あえるSATOMACHIの土壌(土台)となる思い
・身近な場所がもっと緑あふれた場所になるといいのに
・都市の中の自然をもっと活用するにはどんな方法があるだろう
・自然と楽しく共生していくのがこれから大切だと思う

あえるSATOMACHIの育て方(コンセプト)
・【会える】いろんな特徴のある人たちが出会い、
・【和える】みんなで一緒に考えて、アイデアをかけあわせていくと、
・【合える】みんなが「いいね」と思える、たのしいコトの芽が見えてくる

会える:「緑溢れる取り組みは小さなことからいくらでも始められる」井上忠佳氏

さて、こうしていよいよ本題に。
第1回のテーマは、『都市の緑を考える』。
まちの中で自然を活用する方法について、日本国内に留まらず世界の事例に精通し、ご自身も全国で都市公園を活用して緑を生活にとりいれる仕掛けづくりに携わる井上さんにゲストとしてお越しいただいて、様々なユニークな事例やアイデアを紹介していただきました。

例えば、

今、世界では都市環境を整備する上で「水と緑をネットワークした『グリーンインフラ』」という考え方が広がっている。それを市民が主体的に動き、行政と協働することで実現させていこうというのが、現在の流れになっている。

イギリス・ロンドンで始めたチェルシーフリンジでは、市民が主体となって街をどんどん変えていこうという取り組み。緑や自然をつかった市民のアイデアや小さなアクション(中にはゲリラ的なものも)が、群発的に発生し、楽しい緑があふれる街をかたちづくっている。http://www.chelseafringe.com/

ひらひら日本と言う取り組みをやっている。チェルシーフリンジとも連携しながら市民の活動を拾い上げそれがつながる取り組み。小さな活動も繋がっていくと大きなうねりに。ぜひ皆さんも参加ください。ひらひら日本グリーンウィークス2018(2018.4.28-5.27)始まります!

軽トラックの荷台部分を植物でデコレーションすると、移動可能な庭ができる。ベンチを置くとアッという間に街の中に、緑に囲まれたインスタ映えする空間が生まれる。

「こんなこともできるんですよ」と次々に出てくる事例に、「へぇー」「これ、いいね」「やりたい、やりたい」といった反応が自然と湧いてきました。

和える:「①おしい、ひろしまの緑」「②ほしい、ひろしまの緑」

井上さんのお話のあとは、参加したみなさんで、グループワークをしました。
職業も年代も違う、初めての出会いにもかかわらず、井上さんから聞いたおもしろいと感じた事例やアイデアを思い出しながら、みんなで「ひろしまだったら」「自分だったら」どんなことができそうか、と話をして盛り上がりました。
(考えたテーマは「①おしい、ひろしまの緑」「②ほしい、ひろしまの緑」)

みんなのアイデアを和えてみると、

・広島駅からマツダスタジアムまでの道沿いを、赤や白の花で埋め尽くしたい。
・川や海といった水辺を、花や緑を使ってもっとみんながいいなと思える場所にしたい。
・広島市の己斐は、実は盆栽の発祥地。そうした歴史を知ってもらいながら、広島の緑のすごさを知ってもらいたい。
・保育園の園庭に草が生えていなくて、子どもたちがおままごとができない。
・ハッシュタグを作って、卓上に花を飾るというささいな習慣を盛り上げられないか

など、おもしろいアイデアや気づかなかった視点が満載でした。

こうして出てきたアイデアから、みなさんがもっと緑を増やしたいと思っている場所について、SATOMACHIスタッフで6つのカテゴリーにまとめてみました。

  • 公園(比治山公園、中央公園など)
  • 通り(カープロード、平和大通りなど)
  • 水辺(川辺、海辺など)
  • 教育機関(保育園、小学校など)
  • 建物(企業ビルなど)
  • 家(生活空間など)
合える:現場にGO!「ぶらり比治山フィールドワーク」

こういった場所をこれからどうしていけば楽しく自然を増やせそうか。
そのためにも、現場を知らなきゃ始まらないということで、3月末に「ぶらり比治山フィールドワーク」を開催しちゃいます。

フィールドワークについての詳細は、現在検討中。決まり次第ご連絡しますので、もう少々お待ちください。

当日ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。今後もこうした活動、楽しく開催していきたい考えています。
気になる方は、ぜひ、一緒にやってみましょう!

 

ゲストのプロフィール

井上忠佳(いのうえただよし)さん

1949年名古屋生まれ。“都市空間”と“造園空間”とを設計・構築するランドスケープアーキテクト(RLAフェロー)。東京農業大学農学部造園学科卒業。在学中には、ミシガン州立大学社会学部ランドスケープ・アーキテクチュア学科に留学。

卒業後、建設省で、公園や都市計画などに関わり、国際レジャー博覧会(豪ブリスベン市)日本政府館副館長、国営昭和記念公園事務所所長等を歴任。その後、ランドスケープコンサルタンツ協会専務理事、(株)創建副社長として各地の都市緑化やまちづくりに多数携わる。現在は、名古屋と東京に活動の拠点を設け、約50年、日本・海外のまちづくりおよび緑化、アウトドアレクレーションに携わった経験を活かし、わかりやすく緑化を楽しんでもらえる工夫を研究し、ひらひら日本実行委員会委員長を務める。

<著書(単著)>
・『工夫とアイデアでのりきる「がんばらないガーデニング」』/誠文堂新光社/平成24年3月

<著書(共著)>
・人と自然にやさしいエンジニアリング/技報堂/平成9年11月(編集幹事長)
・市民参加時代の美しい緑のまちづくり/(財)経済調査会/平成13年7月(編集委員会幹事)
・日本の街を美しくする/学芸出版社/平成18年2月(編集委員会幹事等)

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