SATOMACHI/さとまち

街中の自然を味わう仕掛けで、来を創る。

あそびをデザインする。比治山で生まれた大人とこどもの共創時間|あそびをまなぼう&あそび場 イベントレポート

OVERVIEWあそびをつくることは、まなぶこと

「あそび場はどうつくられるのか?」

2月11日、あそびをまなぼうと題し、あそび場づくりを実践しながら学ぶ特別な1日が開催されました。前日に続き、日本全国で移動式あそび場を展開する星野諭さんを迎え、比治山公園をフィールドにあそび場のつくり方とその本質を探る試みです。
午前中は、大人もこどもも一緒にハザードチェックやロープワーク、焚き火づくりを学ぶ場に。そして午後からは、みやうち冒険あそび場のメンバーとこどもたちも加わり、一般参加者向けのあそび場としてオープンしました。
比治山のいつもの広場が、この日だけは特別な実験フィールドに。
「何が生まれていくのだろう?」
そんなワクワク感とともに、1日がスタートしました。

  • 開催日・時間:2025年2月11日(火・祝) 10:00-15:00
  • 開催場所:比治山公園 トンネル上の広場
  • 主催:広島市(政策企画課)、SATOMACHI(株式会社和大地)
  • 講師|星野諭(移動式あそび場全国ネットワーク 代表)
  • あそび場運営|寺本光児(みやうち冒険あそび場の会
  • 参加者数:146名ほど|あそびをまなぼう+あそび場
  • イベントの目的
    1. あそび場の本質を学ぶ|大人もこどもも共に成長する場づくり
    全国で移動式あそび場を展開する星野諭さんを迎え、比治山公園をフィールドに「あそび場とは何か?」を学び、実践する機会を提供。
    2. こども主体の遊びの環境づくりを考える
    単なる遊びの提供ではなく、「こどもが自ら考え、創造する遊び場」をどのように作れるかを検証。
    3. 地域コミュニティとの共創
    プレイワーカーや地域のサポーター、親子が一緒に場をつくることで、地域に根付くあそび場の可能性を探る。
    この機会を通じ、比治山の新たなあそび場の在り方を考え、継続可能な仕組みへとつなげることを目的としました。

リスクを排除するのではなく、活かす|ハザードチェック

まず最初に行ったのはハザードチェック
「遊びの価値に関係のないこどもが予測できないハザードをみんなでチェックしよう!逆に、予測できる遊びのリスクはどうする?」
参加者全員でフィールドを歩きながら、気づいたことをシェアしていきました。

  • 「斜面が魅力的だけど、その先が道路なのが危ない」
  • 「急な段差がある。鬼ごっこで落ちそう」
  • 「石がぐらぐらしている場所がある」

そんな意見を受けて、星野さんは問いかけます。

「段差が危ないから鬼ごっこ禁止にする?」

それでは、あそびの可能性を奪ってしまう。
大切なのは、「どうしたら鬼ごっこを続けながら安全を確保できるか?」を考えること。
また、こどもが予測しづらい「ぶつかり事故」を防ぐ動線設計の工夫も重要なポイント。

「虫の目でこどもの顔色を、鳥の目で全体を、魚の目であそびの変化をキャッチする」

星野さんの言葉が、大人たちの視点をアップデートしていきます。

あそびを生み出す、焚き火とロープワーク

ハザードチェックの後は、焚き火とロープワークを学びながら、実際にあそび場を作る時間。
たき火の周りでは、

  • 薪を割るこどもたち
  • 火をつけることに挑戦する大人とこども

夢中な表情が広がります。
星野さんは、焚き火をしながらさりげなく学びを投げかけます。

  • 「木は寂しがり、2本組が基本」 → そうすると、お互いに燃やし合う
  • 「木が燃えているんじゃなくて、燃えているのはガス」 → 本質を知ると応用できる
  • 「自動落下型の薪の組み方が成功すると嬉しいよね!」

学ぶというより、「本質を知ることで、より楽しくなる」感覚。
こどもも大人も「なるほど!」と頷きながら、実践を通じて理解を深めていきました。

ロープワークで遊び場を作る

次に学んだのはロープワーク

  • 「強く、でも解きやすい結び方」
  • 「摩擦を活かしたシンプルな固定法」
  • 「たったこれだけで、車で引っ張っても解けない結び方ができる」

これを実践しながら、ターザンロープやモンキーロープをみんなで制作!

「ゴールでこどもが落ちても大丈夫か?落ち葉でふわふわにしておこう」
「どうやってあの木にロープをかけよう?」
「結び方は……?」

あそび場を作る過程そのものが、こどもも大人も**「考える場」**になっていました。
そして完成したロープ遊具。最初はこどもたちが夢中になって遊んでいましたが、気がつけば大人たちも真剣な表情でチャレンジ。

「こどもと大人が一緒に作ったもので、こどもも大人も夢中になる」

それがどれほど貴重なことか。
辺りを見渡せば、誰一人として手持ち無沙汰にしている大人はいませんでした。

あそび場は、コミュニティが育つ場

この日、比治山で起こったこと。
それは「コミュニティが生まれる瞬間」だったのかもしれません。

「こどもが楽しく遊ぶ場所を作る」

そのために、こどもも大人も一緒になって考え、工夫し、試し、学びながら作る。こうして育まれた関係性こそ、「比治山に新しいあそび場を生み出す第一歩」
「この光景が、日常になったら?」
そんな未来を思い描きながら、比治山での1日は幕を閉じました。

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