安全管理は、自分のため、仲間のため、家族のため。|ととのえる比治山Vol.4

比治山が街中の里山(自然と共生できる場所)として今よりもさらに人々が楽しく活用できることを想う方々と、一緒に考えながら少しずつ比治山の整備に取組む、広島市とSATOMACHI(運営会社:和大地)が主催した「ととのえる比治山vol.4~リーダー養成講座「チェーンソー&刈払機 講習」~」。2019年1月の「ととのえる比治山Vol.1~リーダー養成講座~」に続く2回目リーダー養成講座。今回は、安全管理の基本から前回のチェーンソーに加え、刈払機の使い方の基本まで学びました。

基本動作は、何度でも

「基本動作は、何度学んでも、毎回学びがあります」

普段から仕事でチェーンソーや刈払い機を使っている講師の方でも、こうした心構えでいるのだと、とても印象に残りました。森の中に入れば、リスクといつも隣り合わせ。ましてやチェーンソーや刈払機といった機械を使う場合、安全管理が何より大事で、その要が基本動作になります。

「安全管理は、自分のため、一緒に作業する仲間のため、そして帰りを待つ家族のため」

こうした心構えを参加者みんなが胸に刻み、講習は進んでいきました。

11月中旬の晴れた土曜日、比治山トンネル上の広場に集まり行った、チェーンソー・刈払機講習。参加者が3人1組のグループに分かれ、各グループに講師のグループリーダーが付き、少人数のグループで進めていきました。
少人数だからこその、きめ細かな指導やアドバイス、気になったことをすぐに質問できる距離感、他の人の様子を見て学ぶといった充実した学びと実践の時間。
参加者の多くが初めてチェーンソーや刈払い機に触れる中、基本の知識・操作方法・エンジンを切った状態での基本動作の習得に時間を割きました。

安全に。そのためにも、準備が大事

チェーンソーを使って木を切るにあたり、何より大切なのは準備。上半身よりも下半身がけがをしやすく、安全靴を履いているか、防護ズボンのチャップスは着けているか。手袋・ゴーグル、ヘルメット、耳当ては?そうした服装を一つ一つ確認して、次のステップ、作業環境のチェックに移ります。

  • 倒す木の周りに人がいないか。
  • 倒す木の足元をきれいにする。足場がしっかりしていないと作業がしづらく、逃げにくい。
  • 倒す方向はどちらか、他の人は木の高さの2倍の距離離れているかを確認。

これ以外にも、「グループで作業する場合は、必ず笛を鳴らすなど合図をし、コミュニケーションをとりながら作業する」といったことまで様々なチェックポイントがありました。その後、実際のチェーンソーを使っての、基本動作の練習。エンジンのかけ方だけでなく、扱う時の基本姿勢、かけ忘れの多いチェーンブレーキのかけ方を何度も何度も同じ動作を繰り返しながら学んでいきました。

刈払い機も。安全のため、じっくりまなぶ

前回ととのえる比治山で開催した講習の時は、扱わなかった刈払い機。柴刈りをする中で、下草を刈るのにとても助けになるので、今回の講習から加わりました。
田舎に行けば、誰もが使っているように見える刈払い機。しかし、この機械もチェーンソー同様、安全管理をしっかりしないと大ケガにつながります。

「ケガは、使っている本人が傷つくことよりも、周りの他の人を傷つけることが多い」

特に、使っている人が振り向いたときにケガをするケースが多いので、声をかけるときは使っている人の後ろからしない、もし後ろから声をかける場合は、離れた場所から小枝や小石をぶつけてこちらに気づかせてからといった注意点を一つ一つ教えてもらいました。そのほかにも、使用するときの注意点として、

  • 作業中は必ず耳当てを。騒音が緩和されて、疲れにくくなる。
  • 作業を中断するときは、必ず刃の回転を止める。
  • キックバック(作業者側に勢いよく跳ね返る現象)は、石や木などに当たったときに起きる。特に使用者から見て右側の刃に当たった時に起きるので、注意。
  • 作業をする時は、柄の部分を腰に当てて固定し、腕ではなく、腰を回して刈っていく。

といったことを学び、実技に入っていきました。それぞれ緊張した面持ちで、初めての刈払い機を使って、草を刈っていきました。リーダーから、
「手前から少しずつ」
「もう少し、刃の位置を下げてみよう」
「ゆっくりなめらかに動かしてみて」

など一人一人に丁寧なアドバイスをもらいながら、学んでいきました。他の人の実技もとてもいい勉強に。じっくりやり方を学んでいきました。

緊張と真剣の後に

全員ケガなく、終了時間を迎えることができました。
みんなで今日の振り返りです。生まれて初めてチェーンソーや刈払い機を操ったという人も多く、「最初は怖かった」といった声も多くありましたが、
「実際に使って木を切ったり、草を刈ったりするのは、難しかったけど楽しかった」
「今日やったことを、今度は実践してみたい」
という充実感を感じさせる感想もたくさん聞かれました。

講師役のリーダーのみなさんからは、
「初めての人も、基本に忠実で、とても上手だった」
「参加者の中に消防士の方がいたが、安全に対する意識も高く。考えがしっかりしていた」
というお褒めの言葉も。

一方で、「今日だけで使えるようになるわけではない。しっかりと訓練して、思った通りに木を倒したり、草を刈れるようにしてほしい」「初心者でも慣れた人でも危険に至らない基本動作がとても重要。安全第一」といった激励の言葉も。「比治山という身近なところで、こうした講習を受けられたのは、よかった。身近で学び、身近なところから整備していけるといい」といった声も聞かれ、主催者側からは「今後は、ちょっと楽しみなんかも加えながら、無理せず続けていきたい」といったことも出ました。

最後は、今日も安全に作業を終えたことに感謝し、ひろしま人と樹の会では定番のかけ声「どんぐりー」「コロコロー」とみんなで唱和し、講習を終えました。終わった後も、自分たちで切った薪を持って帰るため車に積み込んだり、最後までチェーンソーの手入れについて、熱心に聞き入っていた参加者の方の姿がありました。

まだまだやりたい、もっともっと知りたい。真剣に学びに来た人たちの思いは、しばらく収まることはありませんでした。

とのえる比治山 vol.04 〜リーダー養成講座「チェーンソー&刈払機 講習」〜 企画概要

主 催:広島市(政策企画課)・SATOMACHI(和大地の運営チーム)
事務局: 株式会社和大地
協 力:庭能花園、NPO法人ひろしま人と樹の会林業舎 雨と森(五十音順)

日 程:2019年11月23日 土曜日
時 間:受付開始 8:30- / プログラム開始 9:00- 終了予定時刻 14:30
会 場:比治山公園内の比治山トンネル上のスペース
集合場所:比治山公園内の比治山トンネル上のスペース
参加費:500円(保険加入料:事務局側で損害保険・賠償責任保険に加入いたします)
案内:http://satomachi.jp/totonoeru-hijiyama004/

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