基本動作は、何度でも
普段から仕事でチェーンソーや刈払い機を使っている講師の方でも、こうした心構えでいるのだと、とても印象に残りました。森の中に入れば、リスクといつも隣り合わせ。ましてやチェーンソーや刈払機といった機械を使う場合、安全管理が何より大事で、その要が基本動作になります。
「安全管理は、自分のため、一緒に作業する仲間のため、そして帰りを待つ家族のため」
こうした心構えを参加者みんなが胸に刻み、講習は進んでいきました。
11月中旬の晴れた土曜日、比治山トンネル上の広場に集まり行った、チェーンソー・刈払機講習。参加者が3人1組のグループに分かれ、各グループに講師のグループリーダーが付き、少人数のグループで進めていきました。
少人数だからこその、きめ細かな指導やアドバイス、気になったことをすぐに質問できる距離感、他の人の様子を見て学ぶといった充実した学びと実践の時間。
参加者の多くが初めてチェーンソーや刈払い機に触れる中、基本の知識・操作方法・エンジンを切った状態での基本動作の習得に時間を割きました。
安全に。そのためにも、準備が大事
- 倒す木の周りに人がいないか。
- 倒す木の足元をきれいにする。足場がしっかりしていないと作業がしづらく、逃げにくい。
- 倒す方向はどちらか、他の人は木の高さの2倍の距離離れているかを確認。
これ以外にも、「グループで作業する場合は、必ず笛を鳴らすなど合図をし、コミュニケーションをとりながら作業する」といったことまで様々なチェックポイントがありました。
刈払い機も。安全のため、じっくりまなぶ
田舎に行けば、誰もが使っているように見える刈払い機。しかし、この機械もチェーンソー同様、安全管理をしっかりしないと大ケガにつながります。
「ケガは、使っている本人が傷つくことよりも、周りの他の人を傷つけることが多い」
特に、使っている人が振り向いたときにケガをするケースが多いので、声をかけるときは使っている人の後ろからしない、もし後ろから声をかける場合は、離れた場所から小枝や小石をぶつけてこちらに気づかせてからといった注意点を一つ一つ教えてもらいました。
- 作業中は必ず耳当てを。騒音が緩和されて、疲れにくくなる。
- 作業を中断するときは、必ず刃の回転を止める。
- キックバック(作業者側に勢いよく跳ね返る現象)は、石や木などに当たったときに起きる。特に使用者から見て右側の刃に当たった時に起きるので、注意。
- 作業をする時は、柄の部分を腰に当てて固定し、腕ではなく、腰を回して刈っていく。
といったことを学び、実技に入っていきました。
「手前から少しずつ」
「もう少し、刃の位置を下げてみよう」
「ゆっくりなめらかに動かしてみて」
など一人一人に丁寧なアドバイスをもらいながら、学んでいきました。他の人の実技もとてもいい勉強に。じっくりやり方を学んでいきました。
緊張と真剣の後に
みんなで今日の振り返りです。生まれて初めてチェーンソーや刈払い機を操ったという人も多く、「最初は怖かった」といった声も多くありましたが、
「実際に使って木を切ったり、草を刈ったりするのは、難しかったけど楽しかった」
「今日やったことを、今度は実践してみたい」
という充実感を感じさせる感想もたくさん聞かれました。
「初めての人も、基本に忠実で、とても上手だった」
「参加者の中に消防士の方がいたが、安全に対する意識も高く。考えがしっかりしていた」
というお褒めの言葉も。
一方で、「今日だけで使えるようになるわけではない。しっかりと訓練して、思った通りに木を倒したり、草を刈れるようにしてほしい」「初心者でも慣れた人でも危険に至らない基本動作がとても重要。安全第一」といった激励の言葉も。
最後は、今日も安全に作業を終えたことに感謝し、ひろしま人と樹の会では定番のかけ声「どんぐりー」「コロコロー」とみんなで唱和し、講習を終えました。
まだまだやりたい、もっともっと知りたい。真剣に学びに来た人たちの思いは、しばらく収まることはありませんでした。
とのえる比治山 vol.04 〜リーダー養成講座「チェーンソー&刈払機 講習」〜 企画概要
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