比治山が街中の里山(自然と共生できる場所)として今よりもさらに人々が楽しく活用できることを想う方々と、一緒に考えながら少しずつ比治山の整備に取組む、広島市とSATOMACHI(運営会社:和大地)が主催した「ととのえる比治山vol.7~カラダを動かし、森をデザインする~」。2020年7月に予定していた柴刈りは梅雨の長雨のためできなかったので、今年2月以来の10か月ぶりのみんなで柴刈りとなりました。今回は、ParkSessionでも利用させてもらっている、大きな被爆したクスノキが目印の比治山公園「トンネル上の広場」を午前中に、午後はムーアの広場に場所を移して、たっぷりと柴刈りをしました。
また、今回も一般参加に加えて、ボランティア活動や企業のCSR活動などの一環で、柴刈りなどを行っていただける企業のみなさまにも参加していただきました。
大人の本気で、変わる景色
「実は1年前のこの場所は、土や泥がむきだしでした。でも、みんなで柴刈りしたおかげで陽が入るようになり、草が生え、このように緑が広がる場所になりました」といったエピソードが紹介されると、参加者のみなさんからは「へぇー」と驚きの声。また、ひろしま人と樹の会の櫻井さんからも、「3~5年続けていれば、下草も大きくならないようになり、もっといい場所になる」とお墨付きをもらい、気持ちを高めて作業に臨みました。
まず、今回整備したのは、広場の南側の斜面、西側の生け垣、東側の一帯。このあたりは、雑木も密集して生い茂り、薄暗い場所も多くありました。
参加者みんなで安全管理の話を聞いた後、デモンストレーションで南側斜面の木を1本、講師の方たちにチェーンソーで切り倒してもらいましたが、それだけではまだまだ薄暗いままでした。
グループに分かれ、担当場所を割り振り作業に取り掛かります。西側の木の生け垣は、全部を切るのではなく、間引いて、風と視線の通り道をつくっていきます。「3本に1本を切っていこう」を目安にして、手ノコを使って、自分の腕の太さくらいある木々を、どんどん切っていきました。
そして、この日なんと言っても、大きく変化したのが南側の斜面でした。薄暗い森の中を、大人の男性たちがどんどん分け入り、雑木を切り倒していきます。
作業を開始した時には見えていなかった向こう側が見え始め、どんどん光が差し込みます。
切った木を下の広場に降ろし、持って帰ったり処理したりしやすいように、一定の長さに切り揃えていきました。こうした一見大したことのないように見える作業にも、手を抜かず真剣に向かい合う姿は、働く大人のプロ魂を見た気がしました。
当初の様子が思い出せないくらい柴刈り前後での景色の変化が大きく、振返りの中でも「ここまでキレイにすると、木が活かされる」と、指導者のみなさんからお褒めの言葉をいただきました。実際に、この場に立つと気持ちよさも数段増した気がします。
紅葉に囲まれて、下草刈り
午後は、場所を比治山現代美術館前のムーアの広場に移し、柴刈りをしました。こちらは、視界に赤や黄色に色づいた木々が次々に飛び込んでくる、秋を感じる場所でした。
「真っ赤な葉は漆(うるし)の木です。切ると、揮発して、肌が痒くなるかもしれないので、残しておいてください」と言われ、ここでも「へぇー」と植物の奥深さに触れながら、作業に入っていきました。
休憩を入れながら、1時間しっかり下草刈りをして作業を終え、そのあとみんなで振返りをしました。その中では、
・前回参加の反省を生かし、手袋など装備品をしっかり準備してきた。こうした服装や道具などを適したものを選ぶことが大事だと、改めて感じました。
・女性でも参加して、やれるんだと実感。自然の中で作業するのは、気持ちよかった。今度は友達を連れて参加したい。
といった感想がありました。
この日も一日を通じ、大きなけがもなく、終えることができました。それも参加者一人ひとりの意識、指導者の方も含めた周りの声掛けなどもあったからだと思います。そんな無事に終了したことに感謝を込めて、最後は皆で「どんぐりー。ころころー」を唱和して、この日の柴刈りを終えました。
真面目に、一生懸命な姿で
比治山公園なら大丈夫だろうと油断していた時に、「ここは森の中だから絶対ヘルメットをつけなさい」と強く言ってもらえたのはとても印象的で、その言葉のおかげで、今ケガをすることもなく、作業を重ねながらヘルメット着用の重要性を実感できている気がします。
いつも「真剣に取り組んだ先に味わえる楽しさ」を体で伝えてくださるひとと樹の会のみなさんに、感謝でいっぱいです。まだ会ったことのない方は、ぜひかっこいい大人に会いに来てください。
ととのえる比治山Vol.7 企画概要
案内:http://satomachi.jp/totonoeru-hijiyama007/
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