こんにちは。雨の日が続きますね。7月に入ってからのお天気は、ほとんど雨か曇です。そろそろおひさまの光が欲しいところですね。
今回は、先日実施させていただきました小学校での「こけ田んぼ」授業の様子を紹介してまいります♪
生活科の授業で3年目。コロナで臨時休校など大変ですが、稲作にお休みはありません。
場所は、高尾山近くにある八王子市立浅川小学校。2年生の生活科の授業で取り入れていただいて3年目になります。今年はコロナの影響もあり開催は危ぶまれましたが、コロナでも稲作は関係ないとの清水弘美校長の想いで開催となりました。
さて、お米は日本人の主食として私たちの日常に欠かせないものです。自分たちが普段口にしているものが、どのように育つのかを実際に体験してみると、そこにはいろいろな発見があり、それは子どもたちの好奇心に刺激を与えてくれます。稲作を体験するということは、自然の中で育まれるいのちと向き合うこと。だから、そこにはお休みはなく、共ににかかわりあっていくことが必要なのです。
右の写真は初年度に開催した際に地元の広報誌の表紙に取り上げていただいたものです!https://satomachi.jp/hachiouji_kouhou/
種籾を育てる喜びを♬些細な気づきを大切に。
これまで、学校の授業・イベントなどでは、こちらで用意した苗を使っていただくことがほとんどでしたが、今年は種籾から苗を育てる方法をおすすめしてきました。
6月初めの朝日神社お田植祭のイベントは、リモートイベントだったため参加者の方々には種籾から苗を育てていただいて、その苗を使って「こけ田んぼ」を作ってもらいました。そして、こちらのイベントには、浅川小学校の担当の先生にもご参加していただき、作る様子を見ていただきました。
種籾から苗を育てられる?とはじめは不安をお持ちだった方も、種もみを手にして芽出しを始め、その生長を目の当たりにすると、小さな感動が味わえたようです♬画面を通してのイベントでしたが、作っている時の会話や様子をみんなで共有しながら進めていると、自然界に生きるものと向き合うことに喜んでいただいている様子が伝わってきました。
小学校でこうした苗の準備は、大変なところもあったかもしれませんが、種籾から育てることでその生長の変化を見守れる喜びを感じていただけたのではないかと思っています。
実際、先生方が種籾から苗を育てるとき、どんなふうに子どもたちと接しながら育てられたのかを伺いたかったのですが、当日はなかなか時間に余裕がなかったので伺えず残念でした💦また、機会を作ってお伺い出来たらいいな、と思っています。
でも、授業の中で、こけだまを制作しながら、シャーレーの中で育った苗の根っこに 種籾がついていることに気が付いた子が、
「お米」って種だったんだ~!と話している声が聞こえてきたので、
「そうそう!いい発見したね~!」と声をかけると
そこのグループでは、その言葉をきっかけに子どもたちは苗を観察しはじめました。
とても些細なことですが、こうしたやり取り、体験って大切だなとあらためて感じました。ほほえましい光景でした。
「こけ田んぼ」の授業ってどんな感じですすむの?
今年の授業は、3密を避けなければならなかったので、教室ではなく外で!しかもこの日は雨模様でしたので、屋根のついた外の渡り廊下で行いました。
授業の最初は、子どもたちにお米への関心もをってもらいたかったので、お米に関する質問をしたり、みんな大好き「おむすび🍙」のこと、稲穂(=米)をたくさん実らせるためにとても大切な自然現象があることなど、2年生の子どもたち目線で関心をもってもらえそうなお話を授業の導入で行いました。
「こけ田んぼ」の制作に取り掛かります!
今回は、机などもなく床に直接座っての作業だったので、作るのに時間を要してしまい、こけだまに表情を作るところまでたどり着けないクラスもありましたが、教室に戻ってから表情を付けていただくという方向でお願いしました。
また、どこかのタイミングでかわいらしく変身し、苗が生長している様子を見にお邪魔させていただけたら、と思っています♪
「こけ田んぼ」を通して繋がるココロ
渡り廊下は、休み時間になると他学年の子どもたちもこの通路を通ります。そこで聞こえてきた声(^^♪
「あっ!こけだま作っている~。懐かしい~。」「これ、俺たちもやったよ~」
なんだか嬉しいですね♪
2年生の子たちは、1年前 上級生が作っていた「こけ田んぼ」をみて、「楽しそう」「かわいい」「作りたいな」と思っていたそうです♬
この日、2年生の子どもたちは、やってみたいと思っていた夢が叶いました。
このあと、みんなは稲を育てていくのですが、「ボクたちワタシたちもお兄さん・お姉さんたちの時のように大きく育てるぞ!」「たくさん実らせるー!!」
そんな思いを抱きながら「こけ田んぼ」を育ててくれていたらうれしいな、と思っています。
そしてさらに、これからの数か月間は、すでに体験した上級生が、ちょっとしたアドバイスをしたりして、学年を超えた縦のつながり、絆が育まれるといいな、と期待しています♪
生活科から特別活動へ。稲の力から生きる力へ。
「こけだま」で稲を育てる授業は、ただ作るだけでなく、稲作を始めてからの半年間 生長していく植物をお世話することで、喜びや感動が得られたり、時にはうまくいかなくて悔しい思いをしたりします。さらに、そこで経験したことをみんなで協力して一つの形にし表現することへとつなげていくことができます。
浅川小学校では秋に児童発表会があります。去年、一昨年とこけ田んぼづくりを体験した2年生は、こけだまで稲作をした経験を、オリジナルの劇に仕立て発表したり、収穫祭といって普段食べているお米に収穫したお米を混ぜておむすびを作ってみんなでいただいたりしているそうです。
生活科の授業として取り組んでいただいた「こけ田んぼ」づくりが、児童発表会など特別活動へ広がっています。その一つ一つの出来事が、子どもたちの成長の糧となり「生きる力」へ結びついていくことを期待しています。
子どもたちからのメッセージ
「こけ田んぼ」の授業をしてから、約1ヶ月が経とうとしています。今年の長梅雨で、みんなの稲はどうなっているのか気になっていたところ、たくさんのお便りをいただきました。ありがとうございました。
最後になりましたが、今回の授業を実施するにあたり、2年生の保護者の方々にもお手伝いいただきましたこと感謝申し上げます。
ありがとうございました。
実施概要
場所:八王子市立浅川小学校
日時:6月30日(火)
★2年生 3クラス /1クラス1限(40分)