SATOMACHI/さとまち

街中の自然を味わう仕掛けで、未来を創る。

川根の柚子とのコラボこけだま。18年後を思いながらつくりました。

8/24、25の広島府中イオンモール・ママトコワークショップは、feat.安芸高田市川根地区でした。川根のことも、柚子のことも全く知らなかった、私、土井が、川根の柚子こけだまと、ラベンダーアイピローづくりのレポートをお届けします。

広島の柚子の里・川根

広島はレモンやはっさくなど、美味しい柑橘で有名ですが、実は柚子の産地もあります。それが、“川根の柚子(かわねのゆず)”です。
柑橘という聞くと、瀬戸内海のような温暖な地域を頭に浮かべるかもしれませんが、柚子は寒さに強く、冬になると50センチ以上の雪が積もるような川根のような地域でも育つのだそうです。川根地区は、江の川(ごうのかわ)の根っこ、つまり上流にあるので“かわね”、というそうです。樹齢150年と言われる柚子の古木があり、柚子の栽培で有名です。川根の柚子は無農薬栽培です。まろやかな酸味で、安心して皮まで美味しく食べられるのが特徴です。

今回のこけだまづくりは、川根の柚子の実生苗(みしょうなえ)、つまり赤ちゃんの苗を使います。この実生苗は一般には出回らない貴重なもので、土から抜いてみると種がついていたりします。その種は、確かによく見る柚子の種でした。また、小さいながらも、葉っぱの裏側を強くこすると柚子の香りがしました。今回講師をしてくださったのは、川根柚子協同組合の熊高さんです。川根で柚子を育て、育った柚子を使った美味しいスイーツや加工品を作っておられる、柚子マスターです。「川根の柚子を使って、こけだまをやってみたい」と思っていたものの、なかなかその機会に巡り合えなかったのですが、今回、同じ安芸高田市の地域おこし協力隊の沖田さんの紹介で、こうして実現することができたとのことでした。

知らなかった柚子のこと

柚子の苗は、よく見ると大きい葉っぱと小さい葉っぱが2枚ずつ連なっています。これは柚子だけの特徴で、葉っぱでほかの柑橘と見分けることができるそうです。
また、世界の国、たとえばミャンマーなどでは、柚子の葉っぱを食べるという話も教えてもらいました。サラダなどにして生で食べるそうです。試しに貰って食べてみましたが、苦味もあまりなく爽やかで食べやすい味です。
柚子は成長すると、枝に大きく鋭いトゲが出てきます。こうすることで、動物に食べられないように身を守っているわけですが、これは育てている人間にとってもやっかいなのだとか。ケガをしないように、作業をするときは、厚手の手袋はもちろん、厚いデニム生地の作業着や、踏み抜き防止のための鉄板を靴の中に入れるなど、格好だけでも大変とのこと。

こけだまづくり 川根の柚子バージョン

こけだまづくりは、土をこねるところからはじめます。
今日は泥だらけになってもいいよ、とスタッフから言われた子どもたちは、初めは戸惑うものの、すぐに慣れて泥だらけを楽しんでこねはじめます。
ケト土(けとつち)、樹皮培養土(じゅひばいようど)、赤玉土(あかだまつち)、肥料(ひりょう)の四つを混ぜて、水を足しながらドロドロの状態でこねていきます。

十分こねたら、土をつぶし広げ、真ん中に川根の柚子の苗を置きます。柚子は根っこが縦にまっすぐに伸びているので、折れないように気をつけながら、土で包み形を整えます。こけだまといえば丸い玉と思われる方も多いですが、丸以外の形にすることもできます。ハイゴケで土を覆い、その上から糸でぐるぐるに巻いてしばります。苔と土を密着させ、根付かせるためです。この作業は結構むずかしいので、小さなお子さんはパパママと協力しながらしばっていきます。こけだまができたら、バケツの水につけて水やりをします。霧吹きで水をやる程度だと足りないので、家で育てるときも、乾かないように同じように水をあげてください。最後に、目をつけて、さらにモールや押しピンで顔やからだ(?)のパーツを追加していきます。

毎回、みたことのない斬新な表現のこけだまが誕生します。特に、柚子の苗は、ぴょこと葉っぱが上に飛び出しているので、ユーモラスなこけだまになるなと感じました。

アイマスクづくり 川根のラベンダーバージョン

もうひとつは、川根のラベンターが香る、レンジで温めて使用できるアイマスクづくりです。川根の町中では、あちこちにラベンダーが植えられているそうです。今では、もっとラベンダーのまちにというので、花を増やしているのだそうです。アイマスクはまず、好みのオーガニックコットンハンドタオルと刺繍糸を選んで、先の丸い針で縫っていきます。中身に使用するのは、小豆と、川根のラベンダーです。今回用意したラベンダーは、ほんの少しの量でも鮮烈に香りました。
縫い方は特に指定はなく、縫えていればOKという感じで、それぞれが思い思いに集中してちくちく縫い進めていきます。はじめて針を使った小学生も、しっかりと完成させていました。できたアイマスクは、レンジで1分温めることで、香るホットアイマスクとして使えます。コンパクトで持ち運びやすく、疲れた目の上に置くだけで、目の疲れをじんわりとほぐしてくれます。小豆が入っているので適度に重みもあり、目の上に乗せてもずり落ちにくく、繰り返し使えるので、愛用していただけるといいなと思いました。

 

この他、無料で自由に遊べるフリースペースを用意し、間伐材や香りの素材で作られた“アースブロック”で遊んでもらえるようにしました。子どもや大人、中高生にも人気で、いくつも超大作が制作されていました!

ももくり3年、かき8年。それでは柚子は?

果樹の成長には時間がかかることを表すこのことわざ。みなさんも一度は耳にしたことがあるのでは?
「もも(桃)くり(栗)3年、かき(柿)8年」
ここまでは知っているけど、その次の柚子の部分を知らない人も結構いらっしゃるようでした。
「桃栗3年、柿8年。柚子の大馬鹿18年」
熊高さんがこのことわざを使って、柚子は実をつけるまで、18年!もかかることを伝えると、みんな驚きの顔に。

「うまく育てられるかな」「そのころ何歳でどうなっている頃かな」と親子で話が盛り上がっているのがとても印象的でした。18年後の収穫を楽しみに、ぜひ長く大切に育ててみてください。ともに育つ樹木がある暮らしというのは、とても贅沢で、いい風景だなと思います。

アンケートより 参加者の声
  • 有名な川根の柚子に関われて嬉しかったです。スタッフの皆様ありがとうございました。(50代・女性)
  • たまたま見つけて参加させていただきましたがとても楽しかったです。(20代・男性)
  • 裁縫は苦手ですが縫えて楽しかった♡(30代・女性)
  • 楽しくワクワク感いっぱいの素敵なワークショップでいつも参加させてもらっています。これからもよろしくお願いいたします(40代・女性)
  • とても楽しく泥遊びをしないので良い経験になりました。どんどんさせていこうと思いました。苔玉も育てるのが楽しみ!(30代・女性)
  • 本人が思うように形作れたので嬉しそうでした。柚子は柚子は実ができるところまで成長してくれるとより嬉しさが増すので参加させてよかったです。(40代・女性)
  • 初めての手芸でしたがとても優しく教えていただけて子供達もすごく楽しそうで嬉しかったです。ありがとうございました。(30代・女性)
  • 全部マルがしたいほど楽しかった。(10代・女性)

イベント概要
  • イベント名: 樹齢150年、川根の柚子の古木から伝わる、アロマな夏。柚子こけだま&ラベンダーアイマスクづくり
  • 日程: 2019年8月24,25日(土、日)
  • 会場: イオンモール広島府中 3F ママトコワークショップ
  • 実施内容: 柚子こけだま&ラベンダーアイマスクづくり / アースブロック
  • 詳細: http://satomachi.jp/blog/2019/08/01/mamatoko-201908/

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