9/21、22の広島府中イオンモール・ママトコワークショップは、芸術の秋を楽しむ、ミニ屏風&ミニ畳づくりのレポートをお届けします。
ワンランク上がる!? 小さな屏風づくり
みなさんのお家に屏風はありますか?もともと屏風(びょうぶ)には「(風)かぜを屏(ふせ)ぐ」という意味があり、部屋の間仕切りや装飾として家を彩っています。一度超お金持ちの友達の家に遊びに行ったとき、玄関に豪華な屏風が立ててあったのを見て「一体この先には何があるのだろう」と度肝を抜かれたことがあります。
さて、わたくし事は置いといて、
こちらは京都の表具屋さんから教わった両面使える屏風作りのワークショップです。
表具の紙は広島駅前の和紙専門店のせきしんさんの紙と広島市西区にある歴清社の箔シートの中から好きなものを選びます。パッと決める人、悩みに悩む人、様々でしたが選ばれたものはその人の個性を窺えるものでした。
今回はミニ畳とセットで作られる方も多く、畳とのバランスを考えて紙選びをされていたのも印象的でした。
このワークショップの直前、歴清社さんにお伺いして技術やラインナップをご紹介いただきました。
歴清社は金属の箔を貼った紙をコーティングした壁紙作りの技術で日本でも有数の企業です。HPを拝見すると、銀座の高級寿司店や、広島駅新幹線のりば構内にその壁紙が採用されています。まさに箔がつく…ですね。
今回は錫箔をコーティングしたシートをこちらのワークショップで使用しました。
ミニ屏風づくりは、板や製本テープの幅をそろえたり、切った紙の柄を合わせて板に張り付けるなど、要所要所で丁寧さを求められる作業が続きます。蝶つがいには障子紙を、縁には製本テープを使いました。
一見大人向けかと思われたワークショップでしたが、大人も子どもも真剣に取り組んで素敵なミニ屏風ができあがりました。
この日は畳を敷いていたのですが、参加者ご家族の赤ちゃんが畳の上ですやすやと眠っていました。そこに早速ミニ屏風が立てられて、赤ちゃんを屏風が見守ってるような穏やかな雰囲気に包まれました。
この屏風の前に何を飾る?と小さな子に聞いたら「(自作の)ねんどのどうぶつ」と答えてくれました。きっといまごろ屏風の前に鎮座していることでしょう。
畳の上で、小さな畳づくり
使ったことはあるけれど、作ったことはない畳。屏風と一緒に今回は、畳をつくってみました。通常の大きさのものだと持って帰れないので、手のひらサイズのミニ畳です。
広島市内、天満川にかかる天満橋のそばにお店を構える内藤畳店の内藤さんに、作り方を教えてもらいました。昔は、大量の重たい畳を運ぶのに舟を利用していたので、川沿いにお店があるのだそうです。
つくり方はシンプルで、縁(ふち)なし畳ではなく、縁がある畳をつくります。何種類もある柄の中から自分でお気に入りの縁を選び、畳床(たたみどこ)につけていきます。
そんなのすぐ終わるじゃん、なんて思うなかれ。実際にやってみると結構時間がかかります。
なぜなら、「えー、こんなに縁の柄ってあるのー!」と縁を選ぶのに迷ってしまうんです。伝統的な和風なものもあれば、ポップなものありますし、表も裏も両方使える縁もあります。
子どもよりも、大人の方がよく悩んでいた気がします。
畳の上でちいさな畳づくり。
ワークショップスペースに現れた8畳(じょう)の畳は、色も素材も縁の柄もすべて一枚一枚違い、天然素材のい草を使った畳からは、畳の香りが漂い、心がゆるんでしまいます。
お子さんの昼寝にちょうどよいらしく、寝顔を見ながら、ワークショップを楽しんでいるお母さんの姿は印象的でした。
内藤さんは、縁のつけかたやはみ出た縁をきれいに折り返す技などをやさしく教えてくれます。
教えてくれながら、畳は結界を意味しているとか、い草を使った畳は高級で今は化学繊維で作られた美草(みぐさ)が多いとか、和紙を溶かしたもので畳表をコーディングしているものもあるとか、畳についていろいろとお話してくれました。
もう一つのワークショップで作った屏風とセットにして置ていみると、小さいながらも立派な和の空間ができあがります。
身近にある畳が、自分の手でつくることができた不思議さを感じながら、みなさん何を置こうかと帰っていかれていました。
アンケートより 参加者の声
- 畳の話を聞けたのがよかったです(20代・女性)
- スタッフの方々の親切さが伝わりました。ありがとうございました。(30代・男性)
- 畳のふちを知ることができたこと。とても良いものができたこと。(40代・女性)
- 他ではやっていないワークショップだったので楽しかった。(50代・女性)
- 紙や柄を選んだり作ったりするのが楽しかった。(50代・女性)
- 畳のことを学びながらいろいろ畳に合うふちを選んだり楽しかったです(40代・女性)
- 自分で体験する喜びを感じれてよかったです(40代・女性)
- 難しい作業もありましたが丁寧に教えてくださり楽しかったです。また参加したいです(30代・女性)
- 簡単なのに本格的な仕上がりになったところ(40代・女性)
- 初めての作品づくりとても楽しかったです。いつまでも大切にしたいです(30代・女性)
イベント概要
- イベント名: 間をとる、小さな屏風と小さな畳。
- 日程: 2019年9月21,22日(土、日)
- 会場: イオンモール広島府中 3F ママトコワークショップ
- 実施内容: 小さな畳&小さな屏風づくり / アースブロック
- 詳細: https://satomachi.jp/mamatoko-201909/