街中にありながら自然豊かな比治山公園を、そうした大人も子どもも育まれる大事な場所にしていきたいと考え、“育み”ながら比治山を“ととのえる”(整備する)ことで“育み”やすくなり人が自然と集う場所になる。そんなことを思い描きながら、広島市とSATOMACHI(運営会社:和大地)が主催し「ととのえる比治山vol.1~リーダー用養成講座~」を開催しました。
「リーダー養成講座」前半戦。座学スタート!(9:00~11:30)
比治山のかまぼこ型の建物。それが放射線影響研究所(以下、放影研)であることは知っていても、あまりなじみがない人も多いと思います。かくいう私も、今回の養成講座で初めて建物の中に入らせていただきました。
養成講座の参加者のみなさんも、その静かで趣のある雰囲気に緊張気味でしたが、講座が始まり、実習までを共にする参加者同士、各グループで1分ずつ自己紹介していただき、表情も和らでいきました。
最初に、「日ごろからチェーンソーを使っている人、手を挙げてみてください」と参加者に聞くと、半数以下。普段から山の整備に携わっている人は少なく、「興味はあるし、知識も身につけたいと思っていたので」という人が多かったようです。
リーダー(指導者)の役割は、大きく3つあります。
(1)事故を起こさせない、(2)技能を向上させる、(3)参加者に達成感を得させる。
この3つの役割に沿って、事故防止やリスク管理など安全管理の基本的な考え方や、装備(保護具)やチェーンソーの構造や使い方など、実際の事故などの事例や写真を活用したり実物を見ながら学んでいきました。
印象的だったのは、山での作業は、常に危険と隣り合わせだということ。なので、1人でなく、2人以上で入るのが望ましいし、木一本切るにしても、決して自分一人の考えで状況を判断するのではなく、他の人と考えを交わしながら、作業の時は声をかけあって進めるべきだと言われていました。山で作業する時の心構えとしてもですが、「これってチームで仕事する時も同じでは?」とハッとさせられることも多かったです。
途中休憩を挟みながらでしたが、こうした2時間の座学を通じて、午後の実習や実際に取組む場合のことなどめいめい思い描いていきました。
後半戦は、緊張の外でチェーンソー実習!(12:30~14:30)
一方、未経験グループは現物のチェーンソーを囲んで、まず構造などを確認しました。そして、大切な「目立て」へ。
この作業、地味ですが、「目立て3年」とも言われるくらいかなり難しく、大切な作業なのです。実際に、目立て後に改めて丸太を切ると、切り口は一目瞭然。切った際に出る木くずの形もカンナで削ったようにきれいでした。
- 硬い木を切ると思っていたよりもすぐに刃がダメになりやすい
- 手が小さいとブレーキがしづらい
- 手先だけでなく体を預けて作業したほうが安定する
- 目立ての大切さの実感
など、実際にやってみたからこその気づきが多く挙がっていました。全体で反省を共有し、最後に講師を務めたひろしま人と樹の会の皆様からひと言。
- ヘルメットのかぶり方
- 切った木からはすぐに離れること
- 今日体験したヒヤリハットを今後の作業に生かしてほしい
というお話しから、安全を確保して作業することの大切さを一貫して伝えられました。続いて、中元さんからは、
- 今回参加したことだけで「もうチェーンソーは大丈夫!」とは思わないでほしい
と過信を戒めるような一言がありました。そして、岡川さんからは、
- 同じような作業にあたる機会があれば、自分で今日の気づきを反芻するだけでなく、ぜひ一緒に作業する周りの人と共有してほしい
といったアドバイスがありました。
ととのえる比治山 vol.001 企画概要
事務局:株式会社和大地
協 力:学校法人穴吹学園 穴吹デザイン専門学校、イオンモール株式会社広島段原ショッピングセンター、段原おやじの会、段原地区町づくり協議会、庭能花園、株式会社ノラクリエイト、広島市現代美術館、広島市まんが図書館、NPO法人ひろしまジン大学、NPO法人ひろしま人と樹の会、公益財団法人放射線影響研究所、ボランティア以心伝心、モチプロ・サポーターズ(五十音順)
日 程:2019年2月16日土曜日
時 間:受付開始 8:45- / 講座開始 9:00- 終了予定時刻 15:00
会 場:座学|放射線影響研究所・会議室、チェーンソー研修|比治山公園内南側・藤棚のある広場
案 内:https://satomachi.jp/blog/2019/01/21/totonoeru-hijiyama001/
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