SATOMACHI/さとまち

街中の自然を味わう仕掛けで、来を創る。

「都市の森」を活かす。防災と賑わいを生む“山の手入れ”というまちづくり|ととのえる比治山 vol.14 イベントレポート

1. 概要(OVERVIEW)ととのえる比治山 vol.14

比治山公園の自然を守り、防災力を高めるための取り組み『ととのえる比治山 vol.14』が2月9日に開催されました。

開始前は前日の雪の影響もあり地面が凍っており、寒い中での実施でしたが、みんなでラジオ体操をして身体を温め、温かい炊き出しの提供で心もお腹も温まり、楽しそうに活動に入ることができました。参加者は柴刈りや枝打ちを体験し、山の手入れを通じた地域の安全と憩いの場づくりに携わっていただけました。

  • 開催日・時間:2025年2月9日(日) 9:00-14:30
  • 開催場所:比治山公園 御便殿広場
  • 主催:広島市(政策企画課)、SATOMACHI(株式会社和大地)
  • 協力:まるひろ食堂、NPO法人ひろしま人と樹の会、W&S Climbing・Lab
  • 参加者数:およそ80名
  • イベントの目的:比治山公園の山林整備を通じて、防災力の向上と地域コミュニティの活性化を図ること。

2. 背景と企画意図(BACKGROUND)

広島市内の身近な自然である比治山公園は、憩いの場であると同時に、豪雨や地震時には土砂災害のリスクも抱えています。山林の適切な手入れを行うことで、災害リスクを低減し、安全で快適な公園環境を維持することが求められています。

今回のイベントでは、地域住民や企業の協力を得て、地元住民から以前より声のあった御便殿広場の東側斜面の鬱蒼とした藪の整備を中心に山の手入れを実践することで、防災意識の向上とコミュニティの絆を深めることを目指しました。

また、山の手入れが単なる作業にならないように、焚き火台を複数設置し、地元のコーヒーを中心に振る舞ったり、まるひろ食堂さんによる具沢山豚汁ご飯の炊き出しを行なってもらうことで、楽しく作業ができる環境づくりも心がけました。

3. プログラム構成(PROGRAM)

当日は、当初よりリードいただいているひろしま人と樹の会のみなさんや田丸さんを中心にした林業家チームの方々に指導してもらい、参加者がチームに分かれて作業を行いました。

オリエンテーションを大切に。
  • 経験者を中心にしたA・B班は、東側の急な斜面の整備
  • 大人の編成チームによるC班は、エントランスにある棘が危険なニセアカシアの整備
  • 親子参加のD班は、壁泉の裏手の平地の柴刈り

午前中は柴刈りや枝打ちなどの山林整備を中心に、想定した整備を行なってもらいましたが、指導者の皆さんと参加するみなさんの呼吸がバッチリで、当初予定していたよりも作業が進み、御便殿広場の北側の一部の整備まで行うことができました。

まるひろ食堂さんの美味しくあったかい炊き出しをいただき、午後は整理整頓作業を行いつつ、残ったメンバーで壁泉の裏の整備が進み、比治山公園の環境改善に努めました

  • オリエンテーション:ラジオ体操から始まり、山の手入れの基本や安全対策についての説明。
  • 柴刈り・枝打ち体験:斜面の雑木や倒木の除去、枝の剪定作業。
  • ランチタイム:まるひろ食堂さんによる炊き出し
  • 整理整頓作業:伐採した木材や枝の片付け、作業エリアの清掃。

4. 体験・参加者の声(EXPERIENCE & VOICES)

「天気も良く、気持ちよく活動することができました。また次回お声掛けしていただけますと幸いです。」(40代 女性)

「こどもと一緒に参加しましたが、自然の中での作業がとても新鮮で楽しかったです。」(40代 男性)

「作業開始時はこの森が綺麗になるのは時間がかかると思っていましたが、経験者の的確な指示のおかげでスムーズに作業が出来、午後には光が差し込んでいるのがしっかりわかるほどにきれいになったと感じる事ができました。今後も様々な活動でご一緒させていただけたらと存じます。」(40代 男性)

「たくさん学びがありました。楽しかったです!」(40代 男性)

5. 成果・気づき(RESULTS & INSIGHTS)

  • 参加者数:75名(家族連れや企業のCSR活動としての参加もあり、多様な層が集まりました。)
  • 参加企業:カルビー株式会社、株式会社フジタ、マツダ株式会社、株式会社良品計画
  • 作業範囲:御便殿広場周辺の斜面と平地を整備。
  • 発見:倒木や棘のある木が多く、安全面での課題が浮き彫りに。定期的な整備の重要性を再認識しました。また、北側の登山口周辺は切り開かれた場所があり、新たな活動できる場所としても認識できました。手入れをすることで比治山公園の可能性が広がっていくことを感じました。

6. 課題と今後の展開(CHALLENGES & FUTURE)

今回の活動を通じて、以下の課題と今後の展開が見えてきました。

  • 課題
    定期的な整備の必要性:一度の作業だけでは十分でなく、継続的な取り組みが求められる。
    安全対策の強化:作業中の安全確保のため、さらなる装備や指導が必要。
    装備の確保:ヘルメットや手ノコギリは毎回広島県緑化センターより貸出を受けている。レンタルに伺うにあたり、雪のため別途車両の手配が必要であった。継続的な取り組みをするのであれば、装備を揃えたり、近場に保管することができるのが望ましい。
  • 今後の展開
    定期的なイベント開催:季節ごとに山林整備イベントを企画し、継続的な公園の維持管理を行う。
    地域住民や企業との連携強化:地元の学校や企業と協力し、防災教育や環境保全活動を推進する。

7. まとめ(CONCLUSION)

『ととのえる比治山 vol.14』を通じて、参加者のみなさんに、山林整備の重要性と防災意識の向上を実感していただくと同時に、森が手入れされ心地良い空間が広がっていく満足感を感じていただけたと思います。地域の自然を守り、安全で快適な公園環境を維持するためには、継続的な取り組みと地域コミュニティの協力が不可欠です。そのためにも、まるひろ食堂さんの炊き出しのような“美味しい&あったかい”も大切だと感じています。今後もこのような活動を続け、比治山公園をより魅力的な場所にしていけたらと考えています。

8. ギャラリー(PHOTO GALLERY)

イベントの様子を伝える写真を以下に掲載します。

このように、比治山公園の自然と安全を守るための取り組みが、多くの参加者の協力によって成功裏に終了しました。次回のイベントもぜひご参加ください!

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