ひろしまセミの観察Session2023、無事に終了いたしました!ラジオ体操に虫取り網を持っていくことが習慣になった和田です(笑)
改めて、参加してくださったみなさん、サポートしてくださった企業やスタッフのみなさん、どうもありがとうございました。
5年目になるセミの観察Sessionですが、昨年から比治山以外のエリアにも活動の場を広げ、今年は元宇品公園/平和大通り鶴見橋周辺/武田山憩の森/江波山公園/比治山公園の5ヶ所で開催し、200名を越える親子のみなさんとセミや夏の生きものの観察を楽しみました。今回の観察の集計結果は以下のとおり。他にもミヤマクワガタ/キリギリス/コロギス/オオカマキリ/ナナフシモドキ/スズメガの幼虫/アオスジアゲハ/オオゴキブリ/カブトムシなど多くの生きものを観察できました。
Results
クマゼミ | アブラゼミ | ニイニイゼミ | ツクツクボウシ | |
成虫 | 56 | 137 | 10 | 6 |
抜け殻 | 538 | 790 | 8 | 2 |
エリアによって違うひろしまの生きもの観察
- 元宇品公園|一番山と海の生きものを楽しめたエリア。大木が多くセミを捕ることはなかなか難しかったですが、アオスジアゲハの乱舞を見れたり、山と海がセットなので生きものや風景が多様で面白い。
- 平和大通り鶴見橋周辺|一番街中でセミの抜け殻を見つけられたエリア。セミは多くいるけれど平和大通りの木々や川辺の木々が大きく育っているのでセミが高いところにいがち。狙い目は、土手と下の公園の間の高低差を利用しての観察。
- 武田山憩の森|一番多様な生きもの観察ができたエリア。山間のスペースはセミもいるけれど、草むらや低木もあって多品種の昆虫を観察できました。クワガタが見つかるとテンション上がりますね!
- 江波山公園|一番クマゼミとアブラゼミの成虫を捕まえられたエリア。低めの木があるのでそこにこれでもかとセミが。小さな子どもとも気楽にセミ捕りを楽しめます。帰りに中華そばの陽気に立ち寄るのもおすすめ!
- 比治山公園|一番ニイニイゼミやツクツクボウシの成虫を捕まえられたエリア。江波山公園に似て山の傾斜に道路があり、その高低差を利用しての観察が面白い。クマゼミやアブラゼミも多く、カブトムシなど他の昆虫も見つけられるのが良い。
今年の5ヶ所をやってみてそれぞれのエリアの特性が興味深かったです。比治山公園は午後&夜の部の開催で時間帯が違ったので午前中に開催していたらアブラゼミやクマゼミがもっと多くゲットできたかも。時間帯によっての生きものの観察の違いが出てくるのも面白いですね。
いろんな体験をさせたいお子さんへの想い
来年は比治山公園のナイトプログラムの拡充含めて体制の確保などの課題を解決しながら、親御さんのお子さんへの想いをもっと受け止められるようにしたいと思います。(ナイトプログラムの様子はこちら)
自分も小学校一年生の娘がいるのでいろんな体験を子どもにさせたいと考え、このような企画をしています。今後もセミだけに関わらず、身近な自然を楽しみながら、子どもも親も一緒に刺激を受けるような機会を作っていけたらと思っています。
SATOMACHI 和田
AREA Report
- 海岸線にセミ穴がある?!? 01|元宇品公園|7.25(wed) write:田尻知恵
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今年のひろしまセミの観察session は元宇品公園からスタートしました。元宇品はこちらをフィールドに活動されているアース・ミュージアム元宇品の皆さんにご協力いただきました。 アース・ミュージアム元宇品のWEBをご覧いただくと、街の近くにありながら自然豊かなことが綴られていてます。磯の生き物や植物なども紹介されていますのでおすすめです。 元宇品公園のセミの特徴は、海岸線にセミ穴があることだそうです。2018年の西日本豪雨の時に山から流れてきた土砂の中にセミの幼虫もいて、その幼虫が海岸線の木の根っこにたどり着いたものだとアースミュージアム元宇品の畑さんから教えていただきました。豪雨の影響がここにも現れているんですね。
セミの声はたくさん聴こえるものの、他の地域に比べて広葉樹の大木が多く、なかなか子どもたちに姿を見せてくれませんでしたが、他の生き物をたくさん見ることができました。 特にアオスジアゲハは群れをなして飛んでいて、子どもたちの目を楽しませてくれましたよ。さまざまな生き物を観察できたのも元宇品公園の特徴でした。(SATOMACHI 田尻)
活動グループ:アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会は、平成23年度に実施されたアース・ミュージアム元宇品「自然観察ガイド養成講座」の受講生によって、平成24年4月に設立されました。アース・ミュージアム元宇品が掲げる3つの方針『ありのままの自然』の確保,『自然との出会いの場』づくり,『自然学習の場』づくりの具現化に向け中心となって活動しています。毎月の「地球さんぽ」のガイドのほか,ガイドの学習会,学校や地域からの依頼ガイドが主な活動です。 https://sanpo-motoujina.club/ - 知識が入ってくる、経験をする、世界が広がる。 02|平和大通り鶴見橋周辺|7.26(thu) write:沖田政幸
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「おったー!!」「ちょうだい、ちょうだい!」 2023年7月26日。灼熱の太陽の下、子供達の声が響く。 比治山トンネルを抜けてすぐの川沿いの遊歩道。近くにはビルが立ち並ぶ。
こんな街中にここまでセミがいるのかと驚いた。 朝10時にスタートしたセッション。
自然観察のプロ「ふくろう先生」の解説にさらに驚かされた。 「さっきみんなで『おはようございます』って言ったときに鳴いていたセミは今もう鳴いてないよ。シュワシュワからニィーーになったじゃろ?」
たしかに、セミの鳴き声が変わっている。 これまでセミは「ミンミン」と鳴くものという認識しかなかったが、突然聞き分けられるようになる。 解像度が上がったと言えばいいのか。突然、世界が変わるのだ。今まで目に入らなかったもの、聞こえなかったものが入ってくる。
小学生20名ほどが5、6人のチーム戦でセミや抜け殻の捕獲数で競った。 そして、はざまで「ふくろう先生」の解説が入る。 セミの種類、鳴き声、鳴く時間帯、どこにとまっているか、抜け殻の性別、種類の見分け方。 「シュワシュワのクマ(ゼミ)さんの合唱は10時に終了します。セミは種類によって鳴く時間が違うので、そう思って聞いてみてください。」 今までは全部同じセミ、ただ鳴いているセミが姿を変える。
セミは高いところにいるため、2メートルほどの長い網が必要だった。「武器」を持っていない子供たちは、セミの抜け殻を集めまくる。 とにかく抜け殻三昧である。木だけでなく、植栽にもわんさといる。 ザカザカと集まるおびただしい数のセミの抜け殻。 抜け殻でオスかメスかがわかるのには驚いた。おしりの下のところが縦に割れ目が入っているのがメスで何もないのがオスだそうだ。 また、種類によって形も変わる。遊びの天才たちは、抜け殻を種類ごとに分類し始めた。
セミにも好きな木と嫌いな木がある。セミがいない木には全くいない。まずはセミが好きな木を見つけてみたらいいそうだ。 見つけ方のコツは、木の凸凹したところに注目することだ。凸凹を見てみると、節かセミかのどちらかだ。 見つけたら、飛び方向を塞ぐように、逃げる方向を見切って獲る。 主に獲れたのは、クマゼミとアブラゼミなどの大きなセミだった。力が強い。網の手応えも、記憶となるだろう。
ふくろう先生が一人ずつにプレゼントしてくれた、ひもつき、空気穴つきの観察ペットボトルに入ったセミを、子供たちはキラキラした目で見ていた。 セミをキャップ帽につけてアクセサリーにする子もいる。 ガシッと手掴みする子も。誰一人、怖がるそぶりはみせない。 ただの「セミ」が、「11時に鳴いている、木に潜んだ、オスの、アブラゼミ」に姿を変えた。 たった2時間で、たくさんのセミ博士が誕生した。
知識が入ってくる、経験をする、世界が広がる。学びの本質である。 これがこのセッションの醍醐味なのだ。「セミ博士になろう」。(SATOMACHI 沖田)
活動グループ:一般財団法人ルーテル会ルーテル保育所
ルーテル平和大通りビル2階にあり、保育方針として、「命をはじめ、すべてが与えられ、恵まれ、守られていることへの感謝の心を養う」を掲げ、キリスト教保育を行っています。平和大通りの緑地帯に面し、四季を感じることができる自然環境の中、子ども達がのびのびと過ごすことができる環境です。 https://luthnursery-web.jimdosite.com - セミ以外のいろんな生き物に出会う 03|武田山|7.28(fri) write:岡本泰志
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武田山の憩いの森でのセミ博士。暑かったですが、森の中で、木陰もあり、近くに小川も流れていて、幾分涼しく、楽しめました。 木が高いせいか、なかなかセミの成虫は見つけられませんでしたが、セミ以外のいろんな生き物に出会うことができました。
挙げていくと、シオカラトンボに始まり、イトトンボ、コガネムシにナナフシモドキ、キリギリス、クサキリ、コロギス、ヤツメカマキリ、オオカマキリ、ヨツスジトラカミキリ、オオスカシバ、アマガエル、ヤマトシジミ、ヒメウラナミジャノメ、オオスカシバ。さらに、ミヤマクワガタまで見つかるという充実ぶりでした。(SATOMACHI 岡本)
活動グループ:森のようちえん まめとっこ
安佐南区大塚・伴地区で活動している「森のようちえん まめとっこ」です。子どもにとって遊ぶことは生きること、学ぶこと。でこぼこどろんこの森の中で自由に思いっきり遊んで心とからだを揺らし、一人ひとりその人らしく育む「信じる・待つ・見守る」子育ち・親育ちを発信しています。価値観の近い仲間が得られる場所でもあります。 https://mametokko.jimdofree.com/ - いい意味で裏切られました(笑) 04|江波山公園|8.2(wed) write:田尻知恵
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昨年残念ながら雨で中止だった江波山公園は、朝から日差しが降り注いでいました。集合場所まで歩いている時からセミの大合唱を浴びて期待が高まりました。 江波山のセミ観察の特徴はとにかく子どもたちの目線に成虫が多いこと。 今回開催の5カ所の中でも一番成虫を捕まえることができました。こんなにたくさんのセミを見たのは初めてかもしれません!!!小学生だけでなく、小さな子どもたちも成虫をたくさん捕まえられてとても満足そうでした。 実は当初江波山公園はセミが少ないと予想していて、セミがいなかったら生き物探しにしようと打ち合わせをしていたのですが、いい意味で裏切られました(笑)
抜け殻探しでは、江波山は特にアブラゼミが多かった印象です。もちろん他のフィールドでもアブラゼミが多かったのですが、江波山は他の抜け殻がなかなか見つからないくらい多かったです。 さて江波山公園でご協力いただいたのは、江波にある育ちの森保育園の烏山さんです。育ちの森保育園は江波山の麓にある保育園で、ここに通う子どもたちは自然豊かな江波山で毎日土や緑に触れて育っています。子どもを真ん中にした地域活動(育ちのわ)もされていて園庭開放なども行われていますのでご興味のある方はぜひお問合せください。(SATOMACHI 田尻)
活動グループ:育ちの森保育園
中区江波にある【育ちの森保育園】は、『子どもらに土と緑と太陽を』を合言葉に四季折々、自然の中で五感をつかって遊びます。乳児期は心と体の土台を築くとても大切な時期です。 また『どの子もわが子』の思いで子どもを真ん中にみんなで子育てができる地域・社会を目指しています。毎週木曜日には地域へ保育園のおひさま広場を開放する『育ちのわ』を開催。子どもも大人も共に育ち合う認可小規模保育事業所です。 https://sodachinomori.jimdofree.com/ - 発見の喜びと羽化に立ち会う驚きと不思議さがまざり合う気持ち 05|比治山公園|8.4(fri) write:岡本泰志
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比治山公園では、これまでとは違い、午後と夜の時間帯に開催しました。 ズバリ、狙いは「セミの羽化を見てみたかった」からで、午後に下見を兼ねてセミの観察会を行い、夜は、羽化間近の幼虫が歩く姿や羽化している最中のセミの観察を行いました。
これまでsessionの中でいくつも抜け殻やセミ(成虫)はたくさん見てきたものの、羽化する時を見たことはありませんでした。「見れるといいなー」くらいの気持ちでいると、なんとなんと夕方にも1匹、夜には5匹以上の羽化しているセミを見つけることができました。
天敵である鳥などに狙われないように夜の時間を使って羽化することが多いらしく、殻からちょうど出ているセミの体は、全体的に白く、羽もまだ透明になっていない状態でした。
近くで見る羽化するセミは想像していたよりもずっと綺麗で、発見の喜びと羽化に立ち会う驚きと不思議さがまざり合う気持ちで、邪魔をしないように触らないようにみんなで見守りました。
夜の電灯にたくさんセミが集まっていたり、昼間とは全く違うセミの比治山公園を、懐中電灯を使ってみんなでケガなどしないように気を付けながら、楽しむことができました。(SATOMACHI 岡本)
活動グループ:SATOMACHI
SATOMACHIとは、 “さと”と“まち”をつなぎ、和えることで、街中でも自然の恵みを見出し、手軽に暮らしに生かすライフスタイルを提案するプロジェクトチームです。今あるものを活かすために、右脳と左脳を行ったきたりしながら、様々な視点で編集を試み企画づくりを行っています。 https://satomachi.jp/
Voice
- 大人も夢中になって、成虫や脱け殻をさがしてしまった!探したくなるような、ゲームの工夫もあり。チームがあるのもよかった。 取れたらもっと、見つけたい!取りたい!となった。 見分け方も勉強になった。 また、セミ取りに行きたいと思えた。(40代・女性)
- 子どもが初めましての方と、蝉取りを通して楽しめていたところ。好きな事を通じて会話などコミュニケーションを自然にしていて驚いた。自然観察が主だったが、それ以上に良い体験となったと思う。また次回も参加したい。(40代・女性)
- 蝉に限らず、蝶や植物との関係なども教えていただいたり、山の中を探検しながらたくさんの生き物も発見できて楽しかったです。(30代・女性)
- セミも採れて子どもも喜んでおり、逃がすことまで教えていただけたので、良かったです。(40代・女性)
- 初めて会った子供達が蝉とりを通して話したり協力したりでとても楽しかった様です。普段暑くて外に出るのも億劫ですが、イベントのおかけで外に出るきっかけになりました。ありがとうございました。(40代・女性)
またご意見として、「もっと長く話を聞きたい/集合場所がわかりづらい/もっとイベントの詳細が欲しい/参加枠を増やして欲しい/スタッフがわかりづらい/土日にもしてほしい」などをいただきましたので来年開催の際には参考にさせてもらいます。
OUTLINE
- 7月25日(火)9:30-@元宇品公園
- 7月26日(水)10:15-@平和大通り鶴見橋周辺
- 7月28日(金)10:15-@武田山
- 8月2日(水)9:30-@江波山公園
- 8月4日(金)16:15-/19:45-@比治山公園
詳細 https://satomachi.jp/parksession-hiroshima-semi2023/
共催: アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会、SATOMACHI(市の業務受託者㈱和大地の運営チーム)、しぜんとひろしま実行委員会、育ちの森保育園、広島市(政策企画課)、森のようちえん まめとっこ、一般財団法人ルーテル会ルーテル保育所
協力: 広島県自然観察指導員連絡会
事務局:株式会社和大地
協賛
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