身近にある自然の中で、自由に楽しむことを、特別なことではなく、日常に。
そうした思いを持って始まった、比治山公園をフィールドに多様なプログラムを体験し楽しめるPark Session Day。昨年と場所を変え、2週間前にととのえる比治山vol.8でスッキリした比治山の南麓の三段公園で、間もなく訪れる冬を感じさせない小春日和の中、体もこころもあったまるプログラムを11月20日に開催しました。
Session00 #早朝の準備体操
いくら天気が良く、温かくなりそうだとはいえ、早朝からいきなり運動するのはよくありません。なので、まずはみんなで準備体操のストレッチをしました。大人のみなさんは、日頃の運動不足もあり、体がガチガチという方も。
ストレッチの監修は、前回10月のPark Session Dayで準備体操のプログラムのdirector、パラスポーツのコーチやトレーナーにも携わる理学療法士の金田和輝さんにお願いしました。
Session01 #晩秋の生き物さがし
寒くなると冬支度。それは生き物にとっては当たり前のことなのかもしれません。寒くなってくると、虫など生き物を見つけるのは難しいのだとか。だからといって、冬に生き物がいないわけではありません。むしろ、見つけるのが難しいからこそ、絶対見つけてやるとがんばっちゃいます。
そんな時に頼りになるのが、生き物大好きおじさん、directorの上田さんです。この日も、子どもたちが生き物を見つけては、「これなあに?」と質問に来ます。そしていつものように、嬉しそうに「おー、よく見つけたねー」とほめながら。その生き物についてわかりやすく説明してくれます。
ただ歩いているだけだと見つかりません。なので、落ち葉の下も丁寧に探します。
生き物探しに、大人も子どももありません。子どもだからこそ、視線が低く、小さな生き物に気づく。そんなことがこの日もありました。
Session02 #かけっこスクール
かけっこスクールなのに、跳びます。もちろん、『コーチ』ことdirectorの宮本さんも跳びます(笑)
こうした「カエル」や他の生き物の動きをマネしながら、かけっこが上手になるための大切な体の動かし方や柔軟性を身に着けていきます。
はじまってすぐは、コーチとの距離が離れていましたが、いろんな動物(恐竜の場合もあります)の動きをマネしているうちに、緊張もほぐれ、早く次の動きを教えて欲しくて、みんなどんどんコーチに近づいていきます。
プログラムも真ん中を過ぎると、みんなかけっこに夢中。
また子どもたちを夢中にさせるだけでなく、一つ一つの動きの意味を教えてもらえるので、周りで話を聞いている親御さんにとっても参考になるようで、コーチの説明を聞き逃すまいと集中されていました。
最後は、腰につけたタグを取るゲーム。夢中で楽しんでいるうちに、まっすぐ走るだけではなく、止まったり、曲がったり、様々な動きを知らないうちに身に着けていきます。
Session03 #火おこし #防災セッション
見ての通り、そこに並ぶのは、かまどと五右衛門風呂です。「かまどで炊いたご飯はおいしいよね」「五右衛門風呂はあったかくて気持ちよさそう」なんて悠長なことを言っている場合ではありません。このかまどの火をつけないと、みんながお昼ごはんを食べられないのです。
そう、これは災害のあった時、ガスや電気が使えないなど、普段の生活での当たり前が当たり前でなくなった時に、自分たちで工夫して生き延びる力「どうにかする力」を試すプログラムです。directorには、全国各地で起きている災害の復旧支援に携わるRQ広島の河野さんになってもらいました。
今回のプログラムの特徴は、それだけではありません。先にご紹介したお湯を沸かすためのかまど・五右衛門風呂を日本で唯一五右衛門風呂を製造されている大和重工さんに、沸かしたお湯を使ってあたためるレトルトのパウチは無印良品さんにご提供いただくという、RQ広島×大和重工×無印良品というコラボ企画なのです。
不慣れなかまど、不慣れな火起こし。でもそこを乗り越えた時に、どんな時でもなんとかする自信が育まれるはずです。
Session04 #ごちゃまぜ #話し合う #ウォーキングフットボール
今年は東京オリンピック・パラリンピックがあり、テレビの前で盛り上がった人も多いのではないでしょうか。人は障がいの有無に関係なくスポーツをし、楽しめることを感じました。でもそれは、一部のトップアスリートのものではなく、誰もが身近にできることで、その一つにウォーキングフットボール(歩くサッカー)がなるかもしれません。
歩く、強くボールを蹴らないなどのルールのおかげで、年齢や性別、障がいの有無など関係なく、ごちゃまぜにして誰もがプレーして楽しめるスポーツ、それがウォーキングフットボールです。「それは理想だけど、本当にそんなに上手くいくの?」と思いますよね。そうです、最初から上手くいくはずがありません。でも、「みんなが楽しめるようにするにはどうすればいい?」と考えて、話し合い続けると、少しずつそれができてくるのが、このスポーツのおもしろいところです。
そんなおもしろさへといつの間にかいざなってくれるのが、アフィーレ広島・ウォーキングマジックの代表であり、このプログラムのdirectorの松本さんです。
楽しくも、自然とコミュニケーションが生まれる仕掛けが施されたウォーミングアップの「こおりオニ」。子どもも大人も、男性も女性も関係なく、みんなルールを知っているので、みんなですぐにできます。「誰か私を助けてー」「こっちに誰か来てー」など、気づくと知らない人にお願いしていました。
最初は、ゲーム中、サッカー経験のある子がドリブルばかりして、他のチームメイトがボールを全然触れないこともありました。1回目のゲームが終わった後、どうだったかを話し合う中で、楽しめなかった人がいたことがわかり、どうすれば楽しくなるかを考える中で、「みんなでパスをし合いっこしよう」というアイデアが出ました。2回目の試合では、みんなで意識すると、1回目と変わってみんながボールを触れるように。自然とゲームも楽しくなっていきました。
普通のサッカーだと、寝そべって写真や動画を撮っていると危なくて仕方ないですが、これはみんなが歩くし、強いボールを蹴らないサッカー。こうしたことができるのも、ウォーキングフットボールならではかもしれません。
Session05 #自然を体で感じる #野外美術舎
「しっかり見てみよう。じっくり見てみよう。」とdirectorの石原さん。落ち葉や芝生の上は気持ちよく、好きな姿勢で画用紙を広げ描いていきます。
大人も子どもも、思い思いの場所を選び、そこで自分が描きたいものを、自分で決めて、自分のペースで。
描き終わった後は、みんなに何を描いたのかをシェアする時間です。何をどのように描こうとしたのか、石原さんとやりとりしながら、みんな一生懸命説明します。それをしっかりと受け止めた石原さんが、一人ひとりに必ずあるいいところを見つけ出し、みんなの前でほめてくれます。
Lunch 大和重工×無印良品 セルフ湯煎ランチ
ランチは、防災セッションで沸かしたお湯を使って、ごはんとカレーを温めていただきました。無印良品さんのカレーは、種類が豊富で、どれもおいしそうで、どれにするか迷っている姿がいたるところにありました。
外で食べるカレーのおいしいことと言ったら。一緒に汗をかいた人たちと食べられるご飯は、なおのこと。言葉では言い表せないので、ぜひご自身でやって体感してみてください。
あそびば比治山 #みやうち冒険あそび場
「自分の責任で自由にあそぶ!」「その場にあるものを使ってできると思ったことは何でもやってみよう!」「やってみたいことを、やってみたいだけ、やってみよう!」
こうしたコンセプトを持つあそびばは、雑木を切って、見晴らしの良くなったエリアにハンモックを付けるなど、場所の変化も上手に取り込みながら、何からも拘束されない自由な場となっていました。
Free Session #たきびば比治山
今回も大好評だったのが、マシュマロ。今やたき火の定番ですね。焦がさないようにどうすればいいか。火の熱さと向き合いながら、おいしい焼きマシュマロを焼き上げるため、みんなでたき火台を囲みながら、研究していました。
秋のひじやまマジックに、笑顔があふれる
間近に迫った冬を感じさせないあたたかさ、公園にかまどがあふれる光景、転んでも痛くない落ち葉や芝生。
プログラムの中で、真剣に体を動かし、必死に頭を動かし、集中して目のまえの物を観察し、一緒にボールを蹴る仲間がどうすれば楽しめるか気づかい、試行錯誤しながら火をつける。
さらに、外で食べるご飯とカレーライスと、ただぼうっとするだけでも気持ちいい空間。
これら全てが、最高の時間となって、みんなを笑顔にしてくれました。
今度はどんなマジックが生まれるんでしょう。。。
企画概要
事務局: 株式会社和大地
日程:2021年11月20日土曜日
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