晴れと曇りが程よく外での作業には有難い天気の6月16日。
この日は庄原の川上さん宅での桜の花の本漬け作業に初参加させて頂きました。到着後すぐに4月下旬に桜を摘んで塩漬けにしたオケを運び出しフタを開けると、灰汁が混じった濃い色の水分とほんのりと桜の香りが。灰汁の色の驚きは胸におさめて早速小さなゴミを取り除くための水洗いの作業に取りかかりました。
庄原の塩桜プロジェクト
はじめまして、広島市在住のせたあやこです。日常の癒やしは近所の川土手でのんびり過ごす時間。大好きな広島で自分の好きなことを大切にして生きていきたいと心を決めて試行錯誤してはアチコチに顔を出す中でSATOMACHIのイベントに巡り会いました。
さて今回参加したいと思った一番の理由は、桜の花を罪悪感なく自分の手でたくさん触れて肌で花の質感を味わえるとはとても貴重でステキ!と興奮してしまったから。普段広島市内の自宅近所で桜と触れ合う時は木の幹や葉に 触れることはあっても咲いている花にはけしからん!と感じて手を伸ばすことなんてないので、たくさんの花たちの中に自分の両手をうずめることは本当に夢のようだなあと。
まるでバレリーナの軽やかなジャンプ
そんなワクワク感を抱きながら、水分が出てくっつきあって固まっている花たちをたっぷりの水の中へ手で優しくほぐし入れゴミを取り除くようにどんどんゆすいでいく。八分咲きの花が水中でほぐれていく様は、まるでバレリーナが軽やかにジャンプをして身にまとったチュチュが空気を含んでフワァっと広がるよう!私のダンス心をくすぐるステキな光景となりました。
ゆすいで絞ったツボミ400g弱と八分咲き1.2kg余りの花に対して20%の塩と2.5%のクエン酸(色をよくするため)を数回に分けてよく花となじませて本漬けに。
自分で自分のことができる素晴らしさや尊さ
川上さんと二人でオケに花をほぐし入れて塩とクエン酸をなじませる作業を行いましたが、目の前の川上さんの大きくあったかみのある手がスイスイ動いていくのについつい目を奪われてしまう。毎日畑仕事をされておられる賜と言えるイキイキとした肌としなやかなでハリのある筋肉で形作られた手は惚れ惚れするほど素晴らしいのです!自然に囲まれた環境で新鮮なお野菜や自家製の野草茶など身体によいものを摂っておられるからお若いのですね・・・とついつい口にしてしまいますが、「よい空気、よい食べ物だけではないよ」と教えてくれるような手。毎日お陽さまのもとで自らの身体を動かして生活することで得られる、川上さんの人生そのもののように感じ、自分で自分のことができる素晴らしさや尊さ、それを継続するためのコツコツとした努力に思いを巡らせてしまいます。
そんなステキな川上さんとご一緒に本漬けした桜は、来年の2月までじっくり寝かせるとのこと。摘み取った後も命が宿るかのような花たちがどんな姿・香りになるのか楽しみに待ちます。自然の生命力だけでなく自然に向き合う生活をされておられる川上さんの生きる力の大きさやあったかさがあってこその桜の花の塩漬けなのだとしみじみ感じた庄原での一日でした。
最後に今回初参加の私を快く迎えて下さった川上さん、広島から同行させて頂いた和田さん、ちえさんに心から感謝致します。
text by せたあやこ
庄原の塩桜プロジェクト
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